都会の声

「利用者さまも私たちも、
同じ屋根で暮らす仲間なんです」

グループホーム 一乗寺ほっこり庵 職員 新谷さん

グループホーム 一乗寺ほっこり庵に訪れると、初対面の人にも「おかえり〜」という声かけが飛び交います。

「分け隔てなく、だれにでも自然と挨拶をしてくださるんですよね。利用者さまにいつも暖かい気持ちをもらっています。」と語る新谷さん。

“家のよう”とおっしゃる施設の様子や、一緒に働く職員の方々についてうかがいました。

たくさんの笑顔が見られるように、職員が料理も担当しています

ー まずはこちらでのお仕事内容を教えてください。

利用者さまの食事、入浴、排泄といった生活に関わる介助をしているほか、もちろん掃除やお皿洗いなどの家事も行っています。そうそう、料理も職員が作っているんですよ。

ー そうなんですね、業者の方が作られている施設が多いイメージでした。

ここでは家のような気持ちで過ごしてもらいたいので、食材発注やメニューを考えるところから職員が行っています。たとえば「ちょっと味が濃いな」といった意見にも細かに対応できますし、「これが嫌いなんやろな〜」と食べたくない理由を理解しやすくもなります。食を通じてたくさんの笑顔が見られたり、コミュニケーションが取れるのもうれしいです。なので、一人ひとりの味の好みはできるだけ覚えるようにしていますね。本当に家のような感じです。

ー 元々この仕事につこうと思っていらしたんですか?

短大では食品学や栄養学の勉強をしていて、卒業後は食品製造関連の仕事を8年間していました。学生時代から福祉や心理学の勉強が好きだったのもあり、27歳の時に介護の世界へ。特別養護老人ホームで3年半介護職を経験した後、2年半前にこちらへきました。


利用者さまの思いやりの言葉に、日々感動しています

ー 一乗寺ほっこり庵の雰囲気を教えてください。

名前の通り、暖かい気持ちで日常をゆったり過ごしてもらうことに重点を置いてます。声かけの仕方やケアの一つひとつを丁寧に行うのはもちろん、家庭的な雰囲気も大事にしていて、施設っぽくならないように意識しています。実際に外部の方が見学に来られた時に、アットホームな雰囲気が漂っていて良いねと褒めていただけることも多いです。

ー 職員さんはどのような方が多いですか?

皆さん気がやさしい方が多くって、ありがたいなと思います。穏やかで控えめで真面目な方が多くって。実際、職員の離職率も低いんです。利用者さまもやさしい方が多くて、人に恵まれた環境だなと思います。

ー たしかに、利用者さまも穏やかな方が多い印象です。(取材は施設内で行われました)

気質もあるとは思いますが、誰に対してもフランクに話してくれる方が多いですね。誰かが施設に入ってきたら、初対面の方でも「おかえり〜」と声をかけてくれる。この大きい家に住んでいるうちのひとりとして、皆さんが思いやりの気持ちを持って接してくれることが、すごいな〜と日々感動しています。職員と利用者さまは共同体、同じ屋根の下で暮らす仲間である、という空気が全体に流れていますね。

ー 特にお仕事で注意されていることはありますか?

初心や基礎を大事にすることと、礼儀を忘れないことです。基礎を大事にというのは、慣れてくると作業になりがちなので、常に自分を冷静に見つめ直すようにしています。忙しい時も、まずは目の前のことを丁寧に、というのを心がけていますね。

礼儀に関しては、親しき仲にも……との言葉通り、そこがないと信頼関係が築けないと思っています。利用者さまに限らず、一緒に働く職員や、その他関わるすべての人に、礼儀を持って接したいと考えていますね。


思い出を共有できることが、格別にうれしい

ー 一乗寺ほっこり庵で思い出に残っていることはありますか?

利用者さまの要望に合わせて、一緒に外出する機会があるんです。入所される前によく通っていた喫茶店に行ったり、誕生日にカフェでケーキを食べたり。みそのばしフェスティバルという地域のお祭りに行くこともあります。一対一で関わり、その瞬間や思い出を共有できたのが格別にうれしくって、印象に残っています。外に出ている時の皆さんの表情を見ていると、本当に行ってよかったな〜となりますね。

ー 外に出ると、やはり表情はかわりますか?

ここでのレクリエーションも楽しまれていますが、やっぱり違う楽しさがあると思います。外の空気というのはとても新鮮で。たとえば車で走っているだけで、「昔行ったことある店や〜」とか「若い時はここに住んでたんや」とか、思い出話に花を咲かせることも。今まで知らなかった利用者さまの人柄が深く知れたり、見たことのないような明るい笑顔をしてくださった時は、うれしくて仕方がないです。

ー 今後の目標を教えてください。

一人ひとりの思い、心に寄り添えるようになりたいです。今は状況的にで外出や外食ができなくて、ストレスが溜まっていらっしゃるだろうなと感じることも多くて。私たちになにができるだろうか、その感情にいかに寄り添っていけるだろうかが、がんばりどころだと思っています。